雑誌「究極のカレー」にも掲載されたハトブキ山cafeのカレー。
木の温かみを感じる店内で、ほっと一休みしてみませんか?
無農薬や有機野菜を中心に仕入れ、オーナーの松尾和樹さん自身が微生物資材(EM)を用いて栽培した野菜も使っている。
「カレールゥのベースは、野菜の皮や種、根っこなどを煮て液体を濾したベジブロススープです。ベジブロススープには野菜の力がたくさん染み出しています。農家さんがせっかく心を込めて育ててくれた、安全で安心の野菜のおいしさを最大限に活かしたいですからね。」
と、松尾さん。
ベジブロススープでのばしたルゥに、重ね煮をした野菜を加えている。重ね煮をすることで、野菜自身のうまみをさらに引き立たせ、塩麹で塩味、豆乳でまろやかさを出しているのだとか。
“うまみ”と聞くと、昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、しいたけのグアニル酸などの“ダシ”を思い浮かべる人も多いだろう。
そもそも、うまみ成分とはアミノ酸のことを示す。アミノ酸は野菜の中にも含まれていて、なおかつ、農薬や化学肥料を使用していない野菜はアミノ酸量が多かったり、苦みを感じる成分が相殺されていたりするため、野菜だけでもしっかりと“うまみ”を感じることができるもの。
一般的なカレールゥには加工された動物性の脂が用いられている。加工されたその脂には、「狂った油」と呼ばれるトランス脂肪酸が含まれ、健康問題を引き起こすとも言われているが、ハトブキ山cafeではそうした不安要素がないルゥを厳選しているそう。もちろん、化学調味料も無添加。
つけ合わせのサラダには塩麹と甘酒をブレンドした自家製ドレッシングがかけてある。
「このカレールゥは店でも販売しているので、野菜を重ね煮したところにこのルゥを入れて作れば、実は誰でもうちのカレーができちゃうんですよね。20数種類スパイスは加えていますけど、何も難しいことはしていないんです(笑)。」
いやいや、そんなはずはない!と突っ込みたくなるところだが・・・。ルゥのやさしさと季節野菜と、オーナー夫婦の人柄もまた、おいしさの秘密だろう。
松尾さんはただ単に、体に優しくておいしいカレーを提供したいわけではない。
「地域の大人たちみんなで、その地域の子どもたちを育てる環境を作りたい。そして、地域に根付いてほしい。だから、かっこいい大人の姿を見せたいんです。毎日疲れて帰ってくる姿を見る、会社や社会への愚痴が聞こえてくる…そんな家庭で育った子どもが、社会や地元への希望を見いだせると思いますか?夢をかなえたい!と思うと思いますか?」
そんな思いから活動している「縁塾」。縁塾は、加茂地区のすべての子ども達が自分自身の夢を叶えることができるように、子ども達に寄り添い、また行政・学校・地域には全体が一丸となるように働きかけ、より良い未来を創造することを目指しているそう。地元の高校と、地域課題解決型の教育も積極的に進めている。
「でも、こうならなければいけない!っていう感じじゃなくて、ただ、自分自身が人生を楽しんでいればいいんすよね (笑)。」
菌たちが食品を醸しておいしい発酵食品を作るように、人と人とがつながって、地域がよりよい素敵なものになっていく。そんなことを感じられるハトブキ山cafeへ足を運んでみては?