【洗濯】「着る」ことは「洗う」こと

掃除・洗濯

人間だけが、服を着ています。
他の哺乳類と比べ、私たち人間の皮膚には、じゅうぶんな毛がありません。体毛の役目は保湿や紫外線などから皮膚を守るというものですが、私たちは「服を着る」という行為によって、その目的を果たしています。
どうして私たちは着るのでしょう?
どうして私たちは洗うのでしょう?
衣類と私たちの関係について、体や環境への影響も含めて考えてみませんか?

 

「素材を着る」こと

海に流れる化学繊維

お洋服を購入する時には、素材にこだわるよりも、カタチや色で選ぶことが多いかもしれませんね。でも実は、着るものが環境にとても影響しているって、知っていましたか。米国の新聞社「ニューヨークタイムズ」が報じるところによれば、化学繊維の繊維クズが海洋汚染の原因の一つとなっているというのです(2011年10月19日)。マイクロプラスチックと呼ばれる繊維クズは、大きさが1mm未満のプラスチックの微粒子。化学繊維の衣類一着を一度洗濯するたびに、約1900個の繊維クズが排水されるそうです。家庭から海へと流れ出たマイクロプラスチックは、魚がエサと共に体内へと取り込み、私たちの食卓へと戻ってきます。

公表されている調査結果によれば、日本近海を含む海域での汚染も指摘されています。マイクロプラスチックによる健康被害については、まだ詳しく解明されていませんが、私たちの暮らしと密接に関わっていることは確かなのです。

天然繊維も機能性で選ぶ

お洋服を選ぶとき、質感やデザインだけでなく、素材の特性にも注目してみてはいかがでしょう。一口に「服」といっ
ても、その機能には様々なバリエーションがあります。保湿性、遮光性、防水性、軽さ、質感、お手入れのしやすさなど、特性は千差万別。

化学繊維は種類が豊富なので、目的に合わせて複数の繊維を様々な配分で組み合わせて作られています。同じように、天然繊維にもそれぞれ特徴があります。綿は吸湿性がよく、肌触りが良いので肌着によく使用されます。麻は吸湿性、放湿性に優れているため涼しく感じ、夏場の衣類としてピッタリです。

動物性繊維の代表である「シルク」は、解毒・抗菌作用があると言われています。また、人間の肌に近いタンパク質で出来ているため、敏感なお肌の人でも安心して着ることが出来ます。吸湿性、保湿性、放湿性が備わっていて、冬は暖かく夏は涼しく、紫外線を吸収する作用もあるので、陽差しが強い日のお出かけにオススメです。

 

着ること、それは洗うこと

身にまとっている化学物質

服を着ることは、洗うことにも通じます。お洗濯で使用する石けんや化学合成洗剤は、両方とも「界面活性剤」として機能していて、水と油の界面を揺さぶり動かして汚れを衣類から落とす働きがあります。「界面活性剤」とは簡単に言うと、水と油を混ぜるための物質、ということ。天然の界面活性剤が石けん、化学合成されたものが、一般的な合成洗剤です。

最近、洗剤や柔軟剤の香りが長続きするものが人気ですが、香りが長続きする、ということは、香料成分である化学物質が、いつまでも衣類に残っている、ということ。

そもそも柔軟剤は、衣類の繊維をコーティングして滑りを良くし、静電気を防いだりフワフワな感触にするためのもので、衣類に残すことが目的の化学成分です。また、合成洗剤の中には「蛍光増白剤」という物質が含まれるものがありますが、これは黄ばみや汚れを落とすのではなく、まるで壁にペンキを塗るように、衣類に白い色を塗って白く見せる、というもの。この成分も衣類に付着することで、効果を発揮し、洗剤では洗い落とすことができません。

衣類からの肌トラブル?!

恐ろしいのが、化学物質を常に身にまとうことで起きる「経皮毒」という問題です。身体に有害性のある化学物質が皮膚から吸収されます。皮膚の部位によって物質の吸収率は変わってくるのですが、腕からの吸収率を1とした場合、頭皮は3.5倍、生殖器では40~50倍の吸収率と言われています。経皮毒は皮膚のトラブルだけではなく、様々な健康被害を招くと言われています。化学物質を完全に排除することは難しくても、毎日のお洗濯を天然石けんに変えてみたり、洗剤にこだわるクリーニング屋さんを探してみたり、白さを求めすぎないようにしたり。今の自分にできることから、はじめてみま
せんか。

 

<参考>
エコロジーオンライン
https://www.eco-online.org
The New York Times : From the Washer to
the Sea: Plastic Pollution
10/19/2011
https://green.blogs.nytimes.com/

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